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WordPress・レンタルサーバー・静的サイトの選び方 — 小規模事業向けの判断軸

ホームページの作り方を調べると、「WordPressがいい」「ノーコードで十分」「静的サイトが速い」など、さまざまな意見が見つかります。どれも条件によっては正しく、条件が変われば当てはまらなくなります。

この記事では、人気や評判ではなく、あなたの事業の条件から作り方を選ぶための判断軸を整理します。比較するのは次の3つの構成です。

  • A:WordPress + レンタルサーバー
  • B:ノーコード(サイトビルダー)
  • C:静的サイト + Cloudflare Pages

最初にお伝えしておくと、このサイト(Web支度室)はCの構成で運用しています。ただし、AとBについては、Web支度室で同じ条件の検証は行っていません。この記事でのAとBの説明は、公式情報で確認できる範囲と、一般的な仕組みにもとづく整理です。

3つの構成の基本

A:WordPress + レンタルサーバー

WordPressは、管理画面からページや記事を作成・更新できるCMSです。オープンソースのソフトウェアで、ソフト自体は無料で利用できます(WordPress公式)。動かすにはPHPとデータベースが使えるサーバーが必要で、WordPress公式は推奨環境としてPHP 8.3以上、MySQL 8.0以上またはMariaDB 10.11以上、HTTPS対応を挙げています(WordPress公式の推奨環境、2026-10-07確認)。

テーマやプラグインを追加して、デザインや機能を広げられるのが特徴です。

B:ノーコード(サイトビルダー)

サービス上の編集画面で、ドラッグ&ドロップなどでページを作り、そのまま公開できるサービスです。サーバーの用意やソフトウェアの更新は、基本的にサービス側が担います。

使える機能、デザインの自由度、料金、独自ドメインの扱い、データの書き出し方法は、サービスやプランによって異なります。

C:静的サイト + Cloudflare Pages

あらかじめ生成したHTMLなどのファイルを配信する構成です。Cloudflare Pagesは、GitHubやGitLabのリポジトリと接続でき、本番用のブランチに変更を反映すると自動でデプロイされ、ほかのブランチやプルリクエストにはプレビュー用のURLが作られます(Cloudflare公式:Git連携、2026-10-07確認)。過去の本番デプロイへ戻すロールバックの機能もあります(Cloudflare公式:ロールバック)。

更新はファイルやコードを編集して反映するのが基本で、Gitなどの知識が求められることが多い構成です。

判断軸ごとの比較

ここでは「どれが優れているか」ではなく、「その条件だと何が起きやすいか」を整理します。

誰が更新するか・更新頻度

構成更新のしかた向きやすい人
A管理画面から更新事業者自身・スタッフが頻繁に更新する
Bサービスの編集画面で更新技術担当がいない、見た目を確認しながら直したい
Cファイルやコードを編集して反映制作者がコードで管理する、更新頻度が高くない

Cでも、更新画面を別途用意する方法はありますが、そのぶん仕組みは複雑になります。事業者自身が毎週お知らせを更新したいのか、年に数回、制作者がまとめて直すのかで、選ぶべき構成は変わります。

ブログ・記事の運営

継続的に記事を公開するなら、「書く人が無理なく公開できるか」が大事です。

  • A:記事の作成やカテゴリー分けなどを管理画面で行えます。
  • B:ブログ機能の有無や内容はサービスによって異なります。
  • C:Markdownなどのファイルで記事を書き、反映する形が一般的です。書く人がこの流れに慣れているかどうかで向き不向きが分かれます。

問い合わせ・予約・EC

動的な機能が必要かどうかは、構成選びに大きく影響します。

  • A:プラグインを追加して実現する方法が多くあります。その一方で、プラグインの数だけ更新や相性の確認が必要になります。
  • B:サービスが提供する機能の範囲で実現します。必要な機能が、使いたいプランに含まれているかを確認します。
  • C:静的なファイルの配信が基本のため、問い合わせフォーム・予約・決済などは、外部サービスを組み合わせるか、別途プログラムを用意します。

特に予約やEC(ネットショップ)が事業の中心になる場合は、ホームページの作り方より先に、予約システムやECの仕組みを何にするかから考えたほうが、全体の構成が決めやすくなります。

プラグイン依存とメンテナンス

  • A:WordPress本体には自動更新の仕組みがありますが、テーマ・プラグインを含め、更新が適用されているか、更新後に表示や機能に問題がないかの確認は運用側の仕事です。WordPress公式は、更新の前にサイトをバックアップしておくことを勧めています(WordPress公式:アップグレード)。
  • B:ソフトウェアやサーバーの更新はサービス側が担います。その代わり、サービスの仕様変更や料金改定の影響を受けます。
  • C:配信するのは生成済みのファイルなので、サーバー上で動くソフトウェアの更新作業は基本的に発生しません。ただし、サイトを生成するためのツールや依存パッケージの更新は、制作者の作業として残ります。

バックアップ

  • A:WordPress公式は、データベース(投稿やコメントなど)と、ファイル(本体・テーマ・プラグイン・アップロードした画像など)の両方をバックアップ対象とし、「データベースは定期的に、そして更新前には必ずバックアップする」よう案内しています(WordPress公式:バックアップ、2026-10-07確認)。レンタルサーバー側のバックアップ機能の内容も確認しておきましょう。
  • B:バックアップや復元の機能はサービスごとに異なります。データを書き出せるか、どの形式かも確認しておくと安心です。
  • C:ソースコードと記事のファイルをGitで管理していれば、変更履歴そのものが復元の手段になります。Cloudflare Pagesでは過去の本番デプロイへのロールバックもできます。

制作者の技術力

  • A:基本的な操作は管理画面でできますが、テーマの調整、プラグインの選定、トラブル時の対応には、ある程度の知識が必要です。
  • B:技術的な知識が少なくても始めやすい構成です。
  • C:HTML・CSS、Git、静的サイト生成ツールなどの知識が前提になりやすい構成です。

月額費用

  • A:レンタルサーバーの利用料が継続して発生します。有料のテーマ・プラグインを使う場合はその費用も加わります。
  • B:サービスのプラン料金が継続して発生します。
  • C:Cloudflare PagesにはFree planがあり、公式ドキュメントで月500回のビルドなどの上限が示されています(Cloudflare Pagesの上限、2026-10-07確認)。外部のフォームサービスなどを組み合わせる場合は、その料金が別途かかることがあります。

どの構成でも、独自ドメインの更新費は別にかかります。費用の考え方はホームページ開設はいくらかかる?で詳しく整理しています。

移行のしやすさ

将来、制作会社を変える、別の作り方に乗り換える、といった可能性も考えておくと安心です。

  • A:WordPressはオープンソースのため、WordPressが動く別のサーバーへ移す選択肢があります。ただし、データベースとファイルの両方を移す作業が必要です。
  • B:別のサービスへ移るときは、ページを作り直すことになる場合があります。データの書き出し機能の有無を事前に確認しておきましょう。
  • C:生成されたファイルは一般的なHTMLなどなので、静的ファイルを配信できる別のホスティングへ移しやすい構成です。

状況別の選び方

ここまでの判断軸を、よくある状況に当てはめると次のようになります。いずれも「候補になる」という意味で、最終的には必要な機能や予算とあわせて判断してください。

あなたの状況候補になりやすい構成
事業者自身・スタッフが、お知らせや記事を頻繁に更新したいA:WordPress+レンタルサーバー
技術担当がいない。まずは手早く見た目の整ったサイトを持ちたいB:ノーコード
制作者がコードで管理できる。構成をシンプルに保ちたいC:静的サイト+Cloudflare Pages
予約やネットショップが事業の中心先に予約・ECの仕組みを決め、それと組み合わせやすい構成を選ぶ
将来の移行のしやすさを重視したいA または C(データの書き出し方法を確認したうえでBも検討)

Web支度室がCの構成を選んだ理由

このサイトは、静的サイトを生成するAstroで作り、ソースコードをGitHubで管理して、Cloudflare Pagesで公開しています。独自ドメイン(webjitaku.com)もCloudflare Pagesに接続しています(2026-10-07時点)。

この構成を選んだのは、次の条件がそろっていたからです。

  • 運営側が、コードとGitでサイトを管理できる
  • 記事はMarkdownのファイルで書き、変更履歴をGitで残したい
  • 現時点で、問い合わせフォーム・予約・決済などの動的な機能を必要としていない(連絡はメールで受け付けています)

裏を返せば、「事業者自身が管理画面から毎日更新したい」「予約機能が必須」といった条件なら、Web支度室と同じ構成が合うとは限りません。Cの構成は、Web支度室の条件に合っていたという実例です。

実際の立ち上げの流れは小さな事業のホームページ開設手順で、ドメインの接続手順は独自ドメイン取得後にやることで紹介しています。

この記事の確認方法

確認日:2026-10-07

Web支度室で実際に確認したこと

  • Web支度室が、Astroで生成した静的サイトをGitHubで管理し、Cloudflare Pagesで公開していること
  • 独自ドメイン webjitaku.com をCloudflare Pagesに接続し、https で表示されていること
  • 2026-10-07時点で、問い合わせフォーム・予約・決済の機能を持たず、連絡をメールで受け付けていること

WordPressとノーコードサービスについては、Web支度室での検証は行っていません。

公式情報で確認したこと

編集上の判断

  • 判断軸の選び方と、状況別の「候補になりやすい構成」は、上記の事実と公式情報をもとにしたWeb支度室編集部の整理です。順位づけや特定サービスの評価ではありません。
  • ノーコードサービスは、機能・料金・データの書き出しがサービスごとに大きく異なるため、特定のサービス名や料金は掲載していません。
  • 表示速度や検索順位について、構成による優劣は断定していません。どちらも作り方や運用によって変わるためです。